相続のことなんて、まだまだ先の話。こんな風に思っている方は、意外と多いかもしれません。その一方で、いよいよ相続について話し合いたいと感じている方も、大勢いることでしょう。いずれにしても人として生まれてきた以上、いつかは家族や親族との別れがやって来るものです。そこで、世間の人々がどのような事情から相続について話すきっかけになったのか、予め知っておくのも将来的には有意義なことかもしれません。ここでは、親と相続を話し合ったきっかけについて、幾つかのアンケート結果を紹介しましょう。
【質問】
親と相続について話したきっかけは?
【回答数】
親から話があった:17
帰省した機に:4
身内に不幸があった機に:30
住宅購入やリフォームをした機に:2
その他:12
話したことがない:35
失礼?先送り?なかなか話を切り出せないこの現実!
アンケート結果では、「話したことがない」が最多となりました。
・親と相続について話したことはありません。年齢的にも出ていい話だとは思いますが、子供の私から相続について話すのは気がひけるので向こうから話してくれるのを待ちます。(30代/女性/個人事業主)
・まだ私も親も若いので、そのような話をしたことは全くないが、話し合いたいです(30代/男性/正社員)
・両親がまだ元気であることと、その話をする段階にはまだ早いと思うから(20代/女性/正社員)
相続というのは、身近な人の生死が絡んでくる、重く複雑な問題ですよね。それだけに、気安く話せるものではないでしょう。とは言え、いつかは必ずやってくる、避けて通れない問題でもあります。老いた親がいる子どもからすれば、早いうちに具体的な話し合いをして、慌てる前に準備をしておきたいのが本音でしょう。アンケート結果からは、そんな葛藤を見て取ることができそうです。他方で、まだ若くて元気な親がいる世代からすれば、相続の話をするほどの現実感が湧いて来ないというのが、実際の理由としてうかがえるのではないでしょうか。
話しやすい情況に実際直面することが必要なの!?
アンケート結果の2番目以降については、多い順に「身内に不幸があった機に」「親から話があった」「帰省した機に」「住宅購入やリフォームをした機に」となりました。
・やっぱり、身内に不幸があったときでした。そういう時は、自然に話がしやすいです。(40代/男性/経営者)
・父親が入院をきっかけに、父から財産分与と今後のことについて家族会議があった。(40代/女性/パート・アルバイト)
・母が遠方に一人で暮らしているので、帰省した際に「もしもの時は書類などがここにある」という話をしていた。(40代/女性/専業主婦(主夫))
普段はなかなか話しづらい相続のことも、親族など身内の不幸に直面すれば、自分たちの身に置き換えて話しやすくなるのかもしれません。そんなことが窺える結果となりました。また、親自身が病気をきっかけにして、相続の話を持ちかけてくるというのも、十分理解できるシーンですよね。親の立場からすると、万が一の時に子どもに迷惑をかけたくないでしょうし、子どもからすれば、親から話を切り出してくれる方が、気が楽になるはずです。さらに帰省したのを機に相続の話をするというのも、納得できる結果でしょう。特に実家が遠方で、なかなか親と会えない方などは、絶好の機会と言えそうです。あるいは家族や親族など一同が集まる中で、大まかに相続の話をしておくだけでも、後々のトラブル回避には役立つかもしれません。
なるべく親が元気なうちに、相続の話をする機会をつくろう!
アンケート結果からも分かるように、相続というシビアな問題については、普段なかなか触れにくいというのが現実ではないでしょうか。ところが、近親者の不幸や病気あるいは久しぶりの帰省など、生活環境が一変するような事態に直面すると、それをきっかけにして相続の話もしやすい環境が生まれるようです。いずれにせよ親に万が一のことがあれば、自分の身に大きく関わってくるもの。きっかけが何であれ、親が元気なうちに相続の話をしておくのは、決して無駄なことではないはずです。
■調査地域:全国
■調査対象:年齢不問・男女
■調査期間:2018年07月06日~2018年07月20日
■有効回答数:100サンプル